コールセンターの応答率とは?計算方法や応答率を上げるための方法を紹介
問い合わせの電話に対して、どれだけオペレーターが対応できたかを示す数値のことを応答率といいます。応答率はコールセンターのかかりやすさを表す数値であり、顧客満足度に直結する要素です。本記事では、応答率の計算方法や応答率を上げるための方法をご紹介します。
- 1. コールセンターにおける応答率とは?
- 1.1. コールセンターの応答率の計算方法
- 2. コールセンターにおける応答率の適正な値
- 3. コールセンターの応答率が下がる要因
- 3.1. オペレーターの人員不足
- 3.2. 対応時間の長時間化
- 3.3. 問い合わせ件数の急激な増加
- 4. コールセンターの応答率の低下で起こりうる問題
- 4.1. 顧客満足度の低下につながる
- 4.2. 新規受注のチャンスロスにつながる
- 4.3. 応答率の低下はさらなる悪循環につながる
- 5. コールセンターの応答率を上げる方法
- 5.1. オペレーターの人員体制の見直し
- 5.2. 業務フローの改善
- 5.3. コールバックシステムの導入
- 5.4. サイト内にFAQの設置をする
- 6. まとめ
コールセンターにおける応答率とは?
顧客からの問い合わせの電話に対して、オペレーターが応対できた件数の割合を応答率と呼びます。応答率の数値が高いほど問い合わせに対応できている、いわば電話がつながりやすい状態です。反対に数値が低いと電話がつながりにくかったり、顧客を長く待たせたりと、顧客が不満に感じやすい状態といえます。
応答率は顧客満足度に直結する要素であるため、コールセンター運営者は常に応答率を管理しなければなりません。コールセンターにおいて応答率は、注意すべきKPI(重要業績評価指数)のひとつです。
コールセンターの応答率の計算方法
コールセンターの応答率は、応答できた件数÷入電数×100で算出できます。たとえば100件の問い合わせの電話があったとして、そのうち85件の電話に出られたとします。この場合の応答率の計算式は「85÷100×100」となり、応答率は85%になります。
応答率は1日ごとに算出するよりも、1時間や30分といった細かい間隔で算出するのが望ましいといえます。
コールセンターにおける応答率の適正な値
適正とする応答率の値は、コールセンターの業務内容によって異なります。たとえば紛失や盗難の受付や事故対応など、迅速な応対が求められるコールセンターでは、95〜97%など限りなく100%に近い応答率が必要です。
対して一般的なコールセンターで95%以上の応答率を求めてしまうと、コストがかかりすぎてしまいます。そのため一般的な注文や受付処理などを応対するコールセンターでは、90%以上を理想としていることが多いです。
応答率 | 状況 |
90%以上 | スムーズに電話がつながり、顧客満足度も高い状態。 |
80%〜90% | 電話がつながりにくく、待たされることに対してクレームが出てくる。 |
70%〜80% | 待ち時間が長いことに対するクレームが増加し、顧客満足度が低下している状態。オペレーターの離職率も高くなる。 |
コールセンターの応答率が下がる要因
コールセンターの応答率が下がる要因について解説します。
オペレーターの人員不足
顧客からの問い合わせの数よりも、オペレーターの人数が下回れば対応できる件数は低下します。コールセンターの運営費の多くは人件費が占めるといわれており、コスト削減のため人員不足になっているコールセンターも少なくありません。また、オペレーターの人数が足りていても、離席や後処理対応などで稼働できないオペレーターが多ければ、人員不足の状況と変わらないといえます。
対応時間の長時間化
顧客との通話時間が長くなれば、それだけ1人のオペレーターが応対できるコール数は少なくなり、応答率は低下します。対応時間が長くなる理由として考えられるのは、顧客とスムーズなやりとりができていないことや、保留時間が長いことなどです。また、応対後の処理にかかる時間も対応時間に含まれます。
問い合わせ件数の急激な増加
新商品の発売やSNSでサービスが話題になったなど、急激な問い合わせ増加により応答率が低下することがあります。この場合応答率が低下するのは一時的なことであるため、話題性が落ち着くことで応答率は徐々に回復していきます。問い合わせ件数の増加が前もってわかるのであれば、一定期間人員を増やすことで対応が可能です。
コールセンターの応答率の低下で起こりうる問題
コールセンターの応答率が低下した場合、顧客満足度低下などさまざまな問題を引き起こす可能性があります。
顧客満足度の低下につながる
顧客がコールセンターに問い合わせをしてくるということは、「何らかの疑問を解決したい」「商品を購入したい」という気持ちになっているということです。このようなときに電話がつながらなかったり長時間待たされたりすると、顧客は不満を感じます。その結果顧客満足度の低下につながり、顧客離れの原因になる可能性もあります。
新規受注のチャンスロスにつながる
コールセンターでサービスや商品の受注をしている場合、顧客からの電話に出られないと新規受注のチャンスロスにつながる可能性があります。なぜなら何度電話をかけてもつながらない、つながっても長時間待たされるとなると、顧客はストレスや不満を感じてしまうからです。その結果、顧客が再び電話をかけ直す確率は下がり、機会損失につながるでしょう。
応答率の低下はさらなる悪循環につながる
応答率の低下は顧客満足度低下や機会損失だけに留まらず、さらなる悪循環につながる可能性があります。たとえばコールセンターの応答率が50%まで低下すると、応対までに相当待たせる状態となり、顧客の問い合わせはクレームから始まるようになります。すると対応時間が長くなり、さらに応答率が低下して業務が回らなくなってしまうのです。
コールセンターの応答率を上げる方法
業務フローの改善やシステムを導入することで、対応できる問い合わせ数は増やせます。
オペレーターの人員体制の見直し
オペレーターの人数が問い合わせ数を下回れば、当然ながら応対件数は減少してしまいます。しかし応答率を上げるために安易にオペレーター数を増やすと、コストが増えてしまうといった問題もあるでしょう。そこで応答率を上げるために、まず人員体制の見直しを行うことがポイントです。比較的難しい問い合わせはベテランオペレーターが対応するなど、適切な人員配置を行いましょう。
業務フローの改善
業務効率の問題で応答率が低下しているのであれば、業務フローを見直すことが大切です。たとえばオペレーターがスムーズに顧客対応できていないのであれば、トークスクリプトを修正してアップデートする必要があります。またよくある問い合わせ内容については、マニュアル化することで対応時間を短縮できるでしょう。
コールバックシステムの導入
コールバックシステムとは、顧客からの問い合わせに対して、オペレーターが折り返し電話をかけて対応するシステムのことをいいます。顧客を保留のまま待たせておく必要がなく、オペレーターも順番に対応できるので、応答率アップに効果的です。
「GoodCustomer」では、WEBアプリから顧客からの問い合わせを受け付けて、順番にオペレーターが顧客対応していく仕組みを導入しています。顧客のアプリ画面には待ち時間が表示されるので、待たされるストレスを軽減できるのがメリットです。さらにコールバック方法は電話かチャット(メール)を顧客が選択できるので、顧客にとって最適な方法で応対が可能になります。
サイト内にFAQの設置をする
よくある質問に関する問い合わせは、ウェブサイト内にFAQを設置することでコール量を抑える効果が期待できます。顧客自身で解決できれば、オペレーターの負担が減り応答率を上げることが可能です。顧客にFAQを効果的に使用してもらうには、ウェブサイト内のわかりやすい位置に設置するのがポイントです。FAQには難しい言葉を使わず、だれでも理解できる内容にしておくことが大切です。
まとめ
コールセンターにおいて電話のつながりやすさは顧客満足度に直結するため、応答率を低下させないよう意識して業務に取り組むことが大切です。日頃の業務フローや人員配置を見直し、業務の効率化とともに応答率アップを目指しましょう。また、応答率を上げるにはシステムの導入も効果的です。自社の現状を把握し、課題に合った方法で応答率を改善していきましょう。