コンタクトセンターとは?コールセンターとの違いや役割を解説
近年、コンタクトセンターは従来の電話対応だけでなく、オムニチャネル対応も求められるようになってきました。では、コールセンターとは一体何が違うのでしょうか。
本記事では、コンタクトセンターとコールセンターの違いについて解説します。また、コンタクトセンターの役割や仕事内容、必要なシステムについても詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。コンタクトセンターで働く方や、業務に興味のある方は必見です。
- 1. コンタクトセンターとは?
- 2. コンタクトセンターとコールセンターの違い
- 3. コンタクトセンターが必要とされる背景
- 3.1. 多様なチャネルへの対応が必要とされる
- 3.2. スピーディーな顧客対応が求められる
- 4. コンタクトセンターの主な業務
- 4.1. インバウンド業務
- 4.2. アウトバウンド業務
- 5. コンタクトセンターの役割
- 5.1. 顧客との関係性を築きロイヤルティへつなげる
- 5.2. 購買履歴や顧客情報を集計・売上につなげる
- 6. コンタクトセンターの課題と解決策
- 6.1. 離職率が高く人手不足
- 6.2. 対応時間の長期化
- 6.3. オペレーターの品質の差
- 7. コンタクトセンターへ導入するべきシステム
- 7.1. コールセンター受付処理管理システム
- 7.2. CTI
- 7.3. ACD
- 7.4. IVR
- 7.5. チャットボット
- 7.6. CRM
- 8. コンタクトセンターには「Good Customer」の導入がおすすめ
コンタクトセンターとは?
コンタクトセンターとは、単に電話による顧客のサポートをするだけでなく、メール・チャット・SNSなど、さまざまなツールを通じて顧客にサービスを行う部門です。さまざまなチャネルを活用することで、顧客が利用しやすいコミュニケーション方法に合わせて、柔軟かつ迅速に対応できます。
たとえば以下のように、用途や目的によって使い分けられます。
- メール→顧客が長文で詳しい問題や要望を送信するのに最適
- チャット→リアルタイムでの迅速なやり取りに最適
- SNS→より広範囲な視野でのブランド認知向上に最適
顧客満足度を高めることを目的とし、コンタクトセンターは、さまざまなツールを活用しています。
コンタクトセンターとコールセンターの違い
コンタクトセンターとコールセンターの違い | ||
コールセンター | コンタクトセンター | |
電話対応 | 専門とする | 主な手段の1つ |
顧客との接触手段 | 電話のみ | 電話以外の多様な手段 |
業務範囲 | 電話対応のみ | 顧客対応全般 |
日本コールセンター協会(CCAJ)の定義によれば、コールセンターは、電話に特化した「顧客や消費者のインバウンドやアウトバウンドの電話応対を行う拠点・窓口(引用)」です。
一方、コンタクトセンターは、「電話に加えて、Eメール、Web、ソーシャルメディア、チャット、FAX、ハガキなどの手段で、顧客や消費者の対応を行う拠点・窓口(引用)」と定義されており、電話以外の様々なコミュニケーション手段を活用して顧客との接触を図っていることが分かります。
コンタクトセンターが必要とされる背景
コンタクトセンターが必要とされるようになった背景には何があるのでしょうか。主に考えられることは、以下の2つです。
- 多様なチャネルへの対応が必要とされる
- スピーディーな顧客対応が求められる
下記で詳しく解説します。
多様なチャネルへの対応が必要とされる
年々複雑化してきた顧客ニーズに対応するためには、多様なチャネル(顧客とつながる場所)が必要になってきました。世の中のデジタル化とともに、「待つ」行為や電話が苦手な人が増え、24時間いつでもオンライン上で迅速な回答が欲しいと考えている顧客も少なくありません。リアルタイムで対応できるチャットやメールであれば、オンライン上の迅速な回答が欲しいというニーズを満たせます。
上記のような世の中の背景より、企業側も電話だけでなく、多様なチャネルに対応する必要が出てきたというわけです。
スピーディーな顧客対応が求められる
現代社会の顧客は、商品やサービスを提供する企業に対して、スピーディーで丁寧なレスポンスを求めています。たとえば、あなたがオンラインショップで商品を注文したとき、1ヶ月先といわれるよりも明日すぐに商品が欲しいと思いませんか?同じように、顧客が企業へ問い合わせをした場合も、迅速に回答がくることを期待しているのです。
多様なチャネルに対応し、熟練したオペレーターが対応できる体制が整っているコンタクトセンターでは、スピーディーで丁寧な顧客対応を実現できます。結果的に顧客満足度も高まるというわけです。
コンタクトセンターの主な業務
コンタクトセンターの主な業務は、大きく分けてインバウンド業務とアウトバウンド業務の2つがあります。
- インバウンド業務
- アウトバウンド業務
それぞれの業務の詳細を説明します。
インバウンド業務
インバウンド業務とは、消費者や顧客からの問い合わせに対応する受信業務を指します。主な種類と業務内容は、以下のとおりです。
業務内容 | カスタマーサポート | テクニカルサポート | テレフォンオペレーター |
業務概要 | 一般的なお問い合わせやクレーム | 商品やサービスの使い方や故障の問い合わせ | 顧客の問い合わせ内容を聞き、関連する担当部門へ取り次ぐ |
対応方法 | 電話・メール・チャットなど | ||
必要なスキル | 丁寧な対応力クレーム対応力 | 技術的な知識解決力顧客フォロー能力 | コミュニケーション力情報収集能力取次ぎ能力 |
具体的な業務内容 | 商品の配送状況、返品・交換手続き、会員登録の問い合わせ | 製品やサービスの動作不良、設定方法、専用ソフトの使用方法 | 総合案内、各種サービス案内、問い合わせ先の調査・確認、取次ぎ |
アウトバウンド業務
アウトバウンド業務は、顧客に対して連絡をする発信業務のことです。キャンペーンの紹介やセールス、アンケート調査などがあります。主な種類と業務内容は、以下の通りです。
業務内容 | テレフォンアポインター | テレマーケティング |
業務概要 | リストに載っている顧客や消費者に電話し、商品やサービスを紹介する | 商品やサービスの利用状況や満足度調査、市場調査、世論調査などを実施する |
目的 | 商品やサービスの販売促進やアポイントメントの取得 | マーケティング施策の立案や効果測定、課題把握 |
対象顧客 | 一般消費者や企業向けの顧客 | 対象商品やサービスを使用している顧客 |
必要なスキル | コミュニケーションスキル営業スキル聞き取り能力 | マーケティングスキルアンケート調査のスキルコミュニケーションスキル |
具体的な業務内容 | リストから順に電話をかけ、自社商品やサービスの特徴や魅力を伝える | 対象顧客に電話をかけ、アンケートやインタビューを実施する |
コンタクトセンターの役割
コンタクトセンターの役割は主に以下の3つです。
- 顧客との関係性を築きロイヤルティへつなげる
- 購買履歴や顧客情報を集計・売上につなげる
- 顧客の意見を社内に共有する
詳しく解説します。
顧客との関係性を築きロイヤルティへつなげる
コンタクトセンターの役割は、顧客との多様な接点を持つことで、良好な関係性を築き、顧客のロイヤルティを高めることです。もちろん、顧客ロイヤリティを高めるためには、丁寧な対応や迅速な問題解決が求められます。商品の不具合やクレームに迅速に対応し、お詫びや補償を行うことで、顧客の満足度を高められるでしょう。
また、定期的なアフターサポートやフォローアップを行い、顧客との関係性を維持・強化することも重要です。
購買履歴や顧客情報を集計・売上につなげる
コンタクトセンターは、顧客との関係性を築いてロイヤルティを獲得するだけでなく、顧客情報の購買履歴や情報の管理・蓄積を行い、売り上げにも貢献しているのです。具体的には、まず、コンタクトセンターで受けた「顧客からの問い合わせ」や「クレーム」などの情報を収集し、データベースに蓄積して顧客の購買履歴や嗜好を把握します。
上記の情報をもとに、
- 顧客に最適な商品やサービス提供
- セールスプロモーションの展開
- ターゲティング広告の展開
など、より顧客の好みに合わせた施策を行い、売り上げの拡大につなげます。
コンタクトセンターの課題と解決策
顧客ロイヤリティの向上に欠かせないコンタクトセンターですが、内部にはいくつか課題があり、オペレーターの働きにくさにつながっています。
- 離職率が高く人手不足
- 対応時間の長期化
- オペレーターの品質の差
課題に対する解決策を説明します。
離職率が高く人手不足
コンタクトセンターにおける大きな課題は、離職率の高さや人手不足です。
課題を解決するためには、
- オペレーターの福利厚生の充実
- キャリアアップの機会の提供
- 労働環境の改善
などが挙げられます。
また、研修プログラムの充実や職場内のコミュニケーションの改善など、オペレーターのスキルアップややりがいの向上につながる施策も重要です。
対応時間の長期化
対応時間の長期化もコンタクトセンターでの課題のひとつです。コンタクトセンターは、顧客からの問い合わせやクレームに素早くかつ正確に対応することが重要なため、対応時間の短縮化や品質の向上が求められます。
課題を解決するためには、
- FAQの充実
- 自動応答システムの導入
- オペレーターのスキルアップ
などが必要となります。
オペレーターの品質の差
コンタクトセンターでは、オペレーターの品質の差も課題となっています。
オペレーターの対応品質を均一化するためには、
- 定期的な研修やトレーニングの実施
- 品質管理体制の整備
などが必要です。さらに、適切なツールやシステムの導入によって、オペレーターの業務効率化や品質向上を図れます。
コンタクトセンターへ導入するべきシステム
前述したコンタクトセンターでの課題を解決するために必要なコールセンター受付処理管理システムをご紹介します。
コールセンター受付処理管理システム
コールセンター受付処理管理システムには、以下の5つがあります。
- CTI
- ACD
- IVR
- チャットボット
- CRM
それぞれ詳しく説明します。
CTI
CTI(Computer Telephony Integration)は、コールセンターで利用される通話情報や顧客情報を統合管理するシステムです。オペレーターは、着信時に自動で表示される顧客情報を見て適切な対応ができるため、より効率的な対応が可能となります。
ACD
ACD(Automatic Call Distributor)は、オペレーターの空き状況に合わせて着信を自動で振り分けるシステムです。ACDのシステムは、オペレーターが電話に出られないような状況を防ぎ、一方で手持ち無沙汰な状況も回避し、円滑なコールセンター業務を実現します。
IVR
IVR(Interactive Voice Response)は、音声ガイダンスや自動音声応答を利用した自動応答システムです。顧客からの問い合わせがあると、自動音声での案内があり、その中であらかじめ用意された音声ガイダンスに従って番号を選んでもらうことで、適切なオペレーターにつなげられます。
チャットボット
チャットボットは、コンピュータプログラムを利用した自動応答システムです。テキストベースのコミュニケーションを通じて顧客対応を行います。音声通話に比べて複数の顧客と同時に対応でき、24時間365日対応が可能です。チャットボットで解決できないような内容は自動で人へ振り分けするようになっています。
CRM
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客情報を管理するシステムです。顧客の購買履歴や嗜好を把握し、オペレーター間で共有することで、顧客に最適な商品やサービスを提供することを目指しています。顧客との関係性を強化するためのマーケティング施策の基盤です。
コンタクトセンターには「Good Customer」の導入がおすすめ
コンタクトセンターでは、顧客との関係性を築き、ロイヤルティを高めることが重要だと分かりました。そのためには、顧客情報を適切に管理し、顧客に最適な商品やサービスを提供することが必要です。ここで「Good Customer」というシステムを導入することで、顧客の嗜好や購買履歴を把握し、最適な商品やサービスの提供が可能となります。
また、コンタクトセンターではオペレーターの品質の差や対応時間の長期化といった課題もあります。これらの課題を解決するためには、自動応答システムやIVR、チャットボットなどの導入が有効です。オペレーターの負担軽減や顧客対応時間の短縮が実現できます。
「Good Customer」の導入を行い、顧客情報を的確に管理し、顧客に最適な商品やサービスを提供しましょう。