コールセンターの電話対応マニュアルの作り方!作成ポイントと注意点も

電話対応マニュアルは、コールセンターにおいて業務を円滑に行うためのツールのひとつです。マニュアルがあれば、すべてのスタッフが顧客に対して一貫した品質で対応できるようになります。本記事では、コールセンターの電話対応マニュアルの作成ポイントと注意点を解説します。ぜひ参考にして、マニュアル作成に役立ててください。

コールセンターの「電話対応マニュアル」作成の目的

コールセンターの電話対応マニュアルを作成する目的は、スタッフが顧客に対して迅速かつ正確な対応ができるようにするためです。マニュアルを作成することで、対応者によるバラツキをなくし、顧客への対応に一貫性を持たせられます。

マニュアルは、会社としての対応方針やルール、やってよいこと、やるべきことをだれにでもわかるように文章化したものといえるでしょう。

コールセンターの「電話対応マニュアル」に入れるべき内容

コールセンターの電話対応マニュアルには、次のような内容を含めることで、より実践的なマニュアルを作成できます。

会社概要・基礎情報

顧客からは、自社の概要や基礎情報に関して問い合わせを受けることがあります。パンフレットやウェブサイトに概要の記載はあるものの、詳しく目を通す人は少ないため、コールセンターには会社概要に関する質問も寄せられます。

問い合わせを受けた場合に、すばやく会社の基本情報を伝えられるよう、代表者名や会社の住所、主な事業内容などの会社概要や基礎情報を記載します。

ビジネスマナー・電話対応マナー

コールセンターは、顧客にとって企業との最初の接点であり、会社の顔ともいえます。スタッフの対応力次第で、企業に対するイメージは大きく左右されます。すべてのスタッフが同じクオリティで対応できるように、丁寧な言葉遣いや挨拶、声のトーン、話す速度などについて記載しましょう。

対外的な要素だけでなく、就業規則や社内のルールなど、業務上知っておくべき内容も記載しておくことで、新しく入社したスタッフの教育にも役立ちます。

実践のテクニック

入社したばかりの新人スタッフでも、顧客対応品質が保てるように、マニュアルにはテクニックやノウハウを言語化して記載するとよいでしょう。

コールセンター業務で記載すべきテクニックとしては、次のようなものがあります。

  • 結論から話す
  • 「誠に恐れ入りますが」などのクッション言葉を使う
  • 相手を否定しないなどのクレーム対応テクニック

トークスクリプト

トークスクリプトは、問い合わせへの受け答えの方法をまとめたものです。コールセンターには、さまざまな質問が寄せられます。マニュアルに記載されていない内容について質問されるケースも少なくありません。

クレーマーへの対処方法や、想定外の質問を受けた場合の受け答えの方法などを記載しておくことで、もしもの時もスムーズに対応できます。

よくあるFAQ

顧客からよく問い合わせを受ける内容についてまとめておくことで、次に同じ問い合わせを受けた場合にすばやく回答できます。顧客の待ち時間を減らすことは、顧客満足度の向上にもつながります。できるだけ迅速に回答できるように、まとめておきましょう。

システムの操作方法

コールセンターはCRMやCTIなど、さまざまなシステムを使っています。新人スタッフにとっては、システムの操作方法を覚えるだけでも一苦労です。システムの操作方法については、だれが読んでもわかるようにまとめておきましょう。新人でもスムーズに作業できるようになるうえ、時間を取って教える必要がないため教育の手間も減らせます。

コールセンターの「電話対応マニュアル」の作り方のポイント

マニュアルは、ただ文章を羅列すればよいというわけではありません。マニュアルの作成にあたっては「だれが読むのか」「何を説明するのか」「何のためのマニュアルなのか」を意識することが重要です。

ここでは、特に抑えるべきマニュアルの作り方のポイントについて具体的に解説します。参考にしてください。

だれが読んでも分かる内容を意識する

新人スタッフや非正規スタッフでも理解できるように配慮しましょう。マニュアルはどのような立場の人が読むかわかりません。昨日入社したばかりの新人が読む可能性もあれば、勤続10年のベテラン社員が読むかもしれません。

マニュアルの内容にもよりますが、幅広い立場の人が読む可能性がある場合は、だれが読んでも分かるように難しい専門用語などの使用は避けましょう。どうしても専門用語を使わなければならない場合、脚注を入れるなどして、わかりやすくしておくとよいでしょう。

マニュアルを複雑構造にしない

不必要な章分けをせず、なるべくわかりやすい構造で作成しましょう。マニュアルを読むタイミングは、何かを始めるときだけではありません。たとえば、ある程度作業に慣れてきたときに、読み返すこともあるでしょう。画面上の用語の意味が分からず、検索するために読むかもしれません。

このようなときに、不必要に章が分けられていると、検索性が低下して該当の項目を探すのに時間がかかります。一方で、章分けが全くされていなければ、どこに知りたい内容が書いてあるかわかりません。したがって、マニュアルを作成するときは、検索性を考慮した簡単な構造で作るように意識しましょう。

業務内容ごとに分ける

マニュアルの作成にあたっては、何について説明するマニュアルか意識しましょう。たとえば、コールセンターの業務といっても、インバウンド型やアウトバウンド型などによって業務内容が異なります。業務内容が異なれば、解説すべき内容も異なります。どちらの業務も行っているのであれば、記載を分けたほうが、読者としては分かりやすいでしょう。

既存スタッフの意見を取り入れる

実際に業務を行っているスタッフの意見を積極的に取り入れたマニュアルを作成しましょう。現場のスタッフならではの意見を取り入れることで、よりクオリティの高いマニュアルが作れます。

たとえば下記のような点が挙げられます。

  • マニュアルに記載されていないが知っておいたほうがよい知識
  • 業務上に関するノウハウ
  • 過去のミス事例など

マニュアルの読みやすさに加え、このような意見を集めて取り入れることで、サービス品質の向上に役立ちます。

ペルソナの設定と質問内容の想定を記載する

ペルソナとは、顧客の年齢・性別・特性などを想定した人物像を指します。相手がどのような人物か明確に設定することで、実践的な質問内容が想定できます。

コールセンターの「電話対応マニュアル」の活用に関する注意点

マニュアルの活用に関しては注意点もあります。注意点を意識しないと、せっかく作成したマニュアルの効果が十分に発揮されない可能性も見込まれます。

マニュアルの見直しと更新を行う

マニュアルは完成したら終わりではありません。新たなトピックや問い合わせに対応するために、常に最新の情報を取り入れる必要があります。マニュアルの更新を行う場合は、日付やバージョンなどの更新履歴をつけるなどして、いつの時点の情報か分かるようにしておきましょう。

マニュアル通りに進めればよいわけではない

マニュアルは、無いよりはあったほうが良いのは確実です。マニュアルがあることで、新人スタッフでも、ベテランスタッフでも、一定以上の応対品質が確保できるからです。

しかし、マニュアルはあくまでも参考資料です。どんなに優れたマニュアルであっても、全てのケースへの対応はできません。マニュアルを参考にしながら、状況に合わせた柔軟な対応が大切です。

マニュアル作成+定期的に研修を導入する

マニュアルは、業務改善に役立つツールですが、それだけで業務改善ができるわけではありません。マニュアルを深く読まない人や、理解ができていないスタッフもいるかもしれません。したがって、スタッフの能力向上のためには、定期的な研修の導入が重要です。

まとめ

本記事では、コールセンターの電話対応マニュアルの作成ポイントや注意点を解説しました。マニュアルはだれでも読みやすい可読性、必要なことをすぐに調べられる検索性、そしていつの情報なのかが分かることが大切です。これらの点を意識して、効果的なマニュアルの作成に役立ててください。